サーモグラフィはその大半が工業用途で提供されています。工場での分電盤検査用途など、数10℃の異常発熱を見つけるのが目的です。
そのため小型のハンディ型が主流となり、ディスプレイが小さく、広い範囲を持ち回って使い、温度解析は撮影後じっくり行うというスタイルです。その場で異常に赤い箇所がないかを探せば済む点検要素が強いためです。
生体・人体対象の場合、分布だけではなく温度計測がメインです。しかしサーモグラフィはその測定原理上差分、特に経時的な変化を追うことが得意ではありません。そのため再現性確保のための補正、計測上の注意など通常の使用とは別途必要なものがあります。サーマルヴューX HRシリーズではそのソリューションを提供します。
運用面でも多くを提供します。クリニック/治療院では前後の温度比較を行うことが多く、簡単かつ即座に2つの画像を比較したいという要望が多くあります。また被撮影者にも見せることがあるため、その場で見せたい、かつ画像を大きく見せたい、という要望も少なからずあります。
しかし工業用では小型ハンディが主流であるため、2つの画像の比較や、大きく見せるという機能はありません。
研究用では大型ディスプレイ搭載品やPC接続型のカメラもありますが、機能選択性や拡張性に優れず、低価格なカメラの選択肢もありません。サーマルヴューX HRシリーズは全タイプ2画面大型表示により画素数が少なくとも簡単に前後の比較ができます。
サーマルヴューX-HRシリーズは、こうした背景から使い勝手とコストの両面を最適化し、必要に応じた拡張性に応えます。
- 人体皮膚温度測定に最適化した新しいUIを持つサーモグラフィ
- 使いやすい、を目指して
- 大きな画像表示。すぐに比較できる2画面表示
- 呼び出しやすい保存画像の一時表示機能
- ライブ画像、保存画像別個に指定点、ライン、エリアを描画。
- ボタン一つでデータ出力。ビットマップ、CSV、ローデータ。
- ギガビットイーサネットを使った高速かつ構内ネットワークが使用できる。
- 業界最多水準の選択肢と選べる機能
現在カメラ
8
種類、アプリケーション
6
種類、48通りの選択が可能です。
- 幅広いラインナップ。コスト重視からハイエンド高解像度版まで
- 画素数5000画素、2万画素、8万画素、32万画素から選択
- 全機種高感度マイクロボロメーターを採用。
- 全機種最小温度分解能(NETD)は0.05℃以下(@30℃)。ミドル~ハイエンドクラスに相当。
- 全機種ギガビットイーサネットによる高速通信。
- PoE搭載。イーサネット経由の電力供給Power Over Ethernetが可能
- 全アプリケーションでカメラ画素数に関わらずVGA(640x512画素)の大きな画像に表示
- リアルタイム表示
- マウスクリックで簡単操作
- マウスオーバーで簡単に測定温度を確認
Type B
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人体・生体温度測定を現場での使いやすさを追求したサーモグラフィHRシリーズのベーシック版。それぞれ温度バーのついた2つ並んだ大画面が特徴的。 |
Type F
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ファイル管理を強化したType F。よく使うファイル目or単語をショートカットキーに記憶させたり(「前」、「後」など)、人の名前をリスト化しファイル名に入れることができます。 |
Type S
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HRシリーズのスタンダード版。Type Bの機能に加え、6色温度バー、2画面同時温度バー調整、動画録画機能が追加されています。 |
Type O
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ある基準温度に合わせこむオフセット機能を搭載したタイプ。サーモグラフィでは様々なノイズ要素により値が揺らぐため、正確な比較をするためにオフセット機能が有効です。HRシリーズではType O以上が研究開発に適しています。 |
Type FO
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Type OとType Fの機能を組み合わせたType FO。ファイル管理とオフセット機能を持ち、動画機能なども搭載している多機能タイプ。現場、研究開発の両方に適合したアプリケーション。 |
Type R
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HRシリーズ最上位版。研究開発向けにインターバル熱画像測定、インターバルCSV出力、オフセット機能、動画測定を備えたハイエンドタイプです。 |