焦点距離fとは、幾何光学上、光軸上の平行光が屈折したところ(レンズ主点)から光軸上に集まる点(焦点)までの距離のことで、
視野・明るさ・大きさに影響するパラメータです。
使うセンサが同じであれば、焦点距離によって(瞬時)視野が決まることになり、
開口が同じであれば、焦点距離によって、レンズの明るさ(Fナンバー)が決まります。
Fナンバーが同じであれば、通常焦点距離によってレンズの大きさが変わっていくこととなります。
例えば、センサが同じで焦点距離が長くなれば視野は狭くなります。
開口が同じで、焦点距離が長くなれば、Fナンバーは大きくなります。つまり暗くなります。
Fナンバーが同じであれば、焦点距離が長くなれば、機構は大きくならざるを得ません。
またレンズの種類を見るにも焦点距離は参考になります。
可視光のカメラでは18-55mmというように幅を持って記載があるレンズがありますが、これはこの範囲で焦点距離が変わるレンズ、すなわちズームレンズということです。
赤外線カメラレンズではズームレンズは極めてコスト高になるため単焦点レンズが多く、必要に応じて視野切替えレンズが使われています。
9mmレンズや100mmレンズというのは単焦点レンズですし、70/140/210mmレンズであれば、それは三視野切替えレンズということになります。
サーモグラフィの世界では、センサの大きさによりますが、通常10mmを切る焦点距離のレンズは広角レンズの範疇であり、18や25mmレンズが標準的なレンズと言えます。
50mmを超えるとやや長距離で、100mmを超えると数100m単位、200mm以上から1km程度を見ることになります。
これは、前述の通りですが、センサ次第です。同じピッチで320x256画素と640x512画素では同じ視野を見るのに倍の焦点距離の違いが必要となります。
通常測定対象を決めてサーモグラフィを検討するため、撮影距離から計算して焦点を決定することになります。
レンズ選択の上で必須のパラメータとなります。