サーマルイメージングで使用する赤外線材料では石英ガラスを使用することはほとんどありません。
3μm強で透過しなくなってしまうためです。材質として適切なものを選択する必要があります。
サーマルイメージングで最も多く使われる材料はゲルマニウムです。結晶で、12μmまで半分近い透過率を持ち、
残りの多くも反射であるため、両面ARコーティングをかけることで高い透過率を持つことができる材質です。
肉眼で見て分かるように、可視域に対して不透過です。
他の材料に比べ赤外域で屈折率が非常に高く、加工性もよい。
希少材料であるため比較的高価で、マーケットの影響を受けやすく、センサに次いでサーモグラフィにおいてコスト高の原因となっています。
中赤外ではシリコンもよく使われ比較的高い透過率を持ちます。
強度が高く最外面としての使用に耐えますが、加工性は落ちます。両面ARコーティングをかけることで高い透過率を持つことができる材質です。
その他用途に応じて使われるのがZnS、ZnSeです。ARコーティングをかけて使用し、広い波長帯で使われます。
結晶系と異なり大量生産向きとみられるのがカルコゲナイドガラスです。ガラスなのでモールド生産に適しています。いくつかの種類があります。
代表的なのがアルミニウムですが、より高い反射率を求めて金を使う場合もあります。
望遠鏡やコリメータなど超長距離を実現するための材質です。